デプロイについて解説します。
デプロイとは?
デプロイとは、プログラムやシステムを実際の使用環境に展開することを指します。
デプロイ作業を行うことで、プログラムやシステムが実際に使用される環境で動作するようになります。
デプロイは、開発したプログラムやシステムを実際の使用者やユーザーが利用できるようにするために必要な作業です。
デプロイには、以下のようなステップが含まれます。
- プログラムやシステムをビルドする
- ビルドされたプログラムやシステムをテストする
- テストが成功したプログラムやシステムをリリースする
- リリースされたプログラムやシステムを実際の環境に展開する
デプロイ作業を行うことで、開発したプログラムやシステムが実際の環境で動作するようになります。
また、デプロイ作業は、プログラムやシステムを実際の使用者やユーザーが利用できるようにするために必要な作業です。
デプロイとリリースの違いは?
| 項目 | デプロイ(Deploy) | リリース(Release) |
| 意味 | アプリやコードをサーバーや本番環境に配置・展開すること | ユーザーが実際に利用できる状態に公開すること |
| 主な対象 | 技術的な処理(ビルド→サーバー配置など) | ビジネス的な公開(バージョンアップ、機能解放) |
| タイミング | 開発者やCI/CDツールによって随時行われる | プロダクト責任者・PM・マーケティングと連携して行う |
| ユーザー影響 | 基本的にはなし(機能はまだ隠れていることが多い) | あり(新機能・UI変更などが実際に反映される) |
| 例 | サーバーに新バージョンのコードをアップロードする | 「v3.0の新機能をリリースします」と広報やリリースノートで告知 |
| 制御方法 | Jenkins/GitHub Actionsなどによる自動化 | Feature Flag、A/Bテスト、段階的リリース等 |
主なデプロイツール
開発者にとって「デプロイの自動化」は生産性を大きく左右する重要なテーマです。
近年ではCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)を軸に、クラウドネイティブやJamstackなどの新しい開発スタイルにも対応したツールが急速に増えています。
ここでは2025年現在、開発現場でよく使われている代表的な10のデプロイツールをピックアップし、その機能・特徴・料金体系をまとめました。
| ツール名 | 主な用途 | 主な機能 | 特徴 | 料金 | 公式URL |
| GitHub Actions | CI/CD、アプリデプロイ | Git連携、自動テスト、デプロイワークフロー | GitHubと統合、無料枠あり、Marketplace豊富 | パブリック無料、Privateは2,000分/月無料、超過は従量課金 | https://github.com/features/actions |
| GitLab CI/CD | CI/CD、コンテナ管理 | GitLab統合、YAMLでパイプライン定義 | セルフホスト可、Docker対応、Kubernetes連携 | 無料プランあり、Premiumは$29/月〜 | https://about.gitlab.com/stages-devops-lifecycle/continuous-integration/ |
| CircleCI | CI/CD | 並列ジョブ、自動キャッシュ、Dockerビルド | 高速実行、設定簡単、Slack通知可 | 無料枠あり、有料は$15/月〜 | https://circleci.com |
| Jenkins | 自動ビルド・デプロイ | プラグイン豊富、自由度高い | オープンソース、自前サーバー必須 | 無料(ホスティング費別) | https://www.jenkins.io |
| AWS CodeDeploy | EC2/Lambda/ECS等のデプロイ | ロールバック、段階的デプロイ、Blue/Green | AWS連携強力、自動スケーリング対応 | 使用量に応じた従量課金(Lambdaなど無料枠あり) | https://aws.amazon.com/codedeploy/ |
| Vercel | フロントエンドデプロイ(Next.js等) | Git連携、Preview機能、CDN配信 | 高速デプロイ、静的/SSR対応 | 個人は無料、Proは$20/月〜 | https://vercel.com |
| Netlify | Jamstack/静的サイトデプロイ | Git連携、フォーム、Edge Functions | 自動デプロイ・CDN統合、無料でも充実 | 無料枠あり、Proは$19/月〜 | https://www.netlify.com |
| Argo CD | Kubernetes用CD | GitOps型デプロイ、Helm/Kustomize対応 | Kubernetesクラスタと連携、UIあり | OSS(サポート付きは商用あり) | https://argo-cd.readthedocs.io |
| Render | Webアプリ/バックエンドデプロイ | Git連携、自動HTTPS、DB付き | Heroku代替、手軽さと自由度の両立 | 無料枠あり、有料は$7/月〜 | https://render.com |
| Capistrano | Ruby系アプリのSSHデプロイ | マルチステージ、ロールバック | 軽量、スクリプトで柔軟制御 | OSS(サーバー維持費のみ) | https://capistranorb.com |
これらのツールは、プログラムやシステムを実際の環境に展開するために使用されます。
各ツールには、特徴や用途が異なるため、プロジェクトやニーズに合わせて使用するツールを選択する必要があります。
CI/CDツール系(自動ビルド〜自動テスト〜デプロイ)
✅ GitHub Actions
GitHubユーザーならまず試したいCI/CDツール。YAMLで記述されたWorkflowを使って、LintやTest、Dockerビルド、サーバーへのデプロイまで一括管理できます。
✅ GitLab CI/CD
GitLab内で完結するCI/CD。GitHubよりもセルフホストに強く、高度なパイプライン制御やKubernetesとの相性が高評価です。
✅ CircleCI
高速なジョブ実行や並列処理に強みを持ち、中〜大規模開発におすすめ。Slack通知やDocker対応も強力。
✅ Jenkins
古参にして最強クラスのカスタマイズ性。運用に知識が必要ですが、複雑なフローも自在に組める点は唯一無二。
アプリ/サイトの自動デプロイ系(Git連携型)
✅ Vercel(特にNext.jsと好相性)
Gitプッシュだけで、Preview環境から本番反映まで自動化。開発とデプロイの境目が消えるような体験が特徴。
✅ Netlify
Jamstackに特化しつつ、フォームやFunctionsなどWeb機能も網羅。静的なものもSSRもCDNで高速配信可能。
✅ Render
Heroku代替として注目。PostgreSQL付きのフルスタック運用もできる一方、料金は比較的抑えめ。
インフラ・サーバー・Kubernetes対応系
✅ AWS CodeDeploy
AWS環境への段階的なデプロイや、Blue/Green方式を実現。LambdaやECSへの展開もスムーズ。
✅ Argo CD(GitOps)
Kubernetesにおける**GitOps(Gitが唯一の真実のソース)**を実現。HelmやKustomizeにも対応し、UI操作も可能です。
✅ Capistrano
Ruby on Rails界隈では定番のSSHベースの軽量デプロイ。サーバー管理寄りの職人向けツールです。
継続的デリバリー(CD)では「コードはいつでもデプロイ可能」にしておき、リリースは別制御にすることで、トラブルリスクの最小化や柔軟な公開タイミングを実現します。
デプロイ=技術的な処理
リリース=ユーザーとの接点
この違いを明確にすることで、チーム内のコミュニケーションも滑らかになりますし、「事故のない安全な機能提供」も可能になります。
大規模サービスではリリースを段階的に行う(カナリアリリース、A/Bテスト)ことが多く、これもデプロイと切り離しているから可能です。
